2013年10月18日金曜日

イミテーション


「本物じゃなくても君を癒せるなら。」
Mr.children 「イミテーションの木」の一節です。
僕はこの歌がとても好きで、よく工房でも聞いています。

先日、高校生に通学用のローファーを作らせてもらいました。
学校で指定されているローファーが
足に合わなくて、かかとをいつも傷つけてしまうようで
見てみると、踵の骨にすこし特徴があり、
既存の靴の踵の形状と合わないことがわかりました。
こうなると、どんなにすぐれたローファーメーカーでも
足に合ったものを見つけるのは難しい。
だいたいどのメーカーも
木型の踵の形状は決まっていて、
それでいて良い靴ほど踵を支えようとしっかりと固くしているからです。

そんな本物の靴が足に合わないなら、
それは彼女にとって本物ではない。
本物とはなんだろう。
目に見えていることだけで判断していいのかな。
多数のの声に従っていればいいのかな。

木型を彼女用につくることもできたのですが
それでは、コストも高くなってしまうし、
そこまでして本物に近づける必要性を感じれなくて。
そんな時、イミテーションの木が胸に流れる。
一見すると、普通のローファーだけど、
踵は柔らかかったり、足指は伸び伸びできる、
中身、履き心地、構造が違う、
イミテーションローファー。

一目でわかる彼女のローファーだとわかる
いっしょに考えたトライアングルホールのベルト。
軽い印象のこげ茶のステッチ。
柔らかくホールドするヒールカップ。
その全てが、イミテーションという魔法で
本物以上に本物になる。

履いた瞬間の嬉しさと驚きの表情は
本当に可愛らしかった。
鏡をみて、足もとをみつける姿は、
通学靴を選んでいるというより、
お気に入りの靴を履いている女の子。
きっと将来、
足に傷のない綺麗な女性になるに違いない。


2013年10月14日月曜日

靴の小学校 Tenohiraworks × 2 tree cafe

秋は展示会やクラフト市など、
イベントが毎週のように各地で開かれていて
友人たちからたくさんのハガキが届きます。
映画の予告編をみるような
期待感が副たむ、楽しそうなイベントばかりなのですが、いつも行けず終い。
でも今年は、10月27日から5日までスターネットで展示販売する、
曽田耕さんの「200bags」は
なんとしても初日に行こう!と大きくカレンダーに記しています。

さて、僕はというと、
この秋から新しいこと「靴の小学校」を始めます。

きっかけは、宇都宮の2tree caféの倉本さんファミリーとのご縁。
2tree caféの倉本さんご夫婦は
まずは自分たちがこの人生をより深く味わうために、
毎日食べている野菜や、毎日使っている器について
もっと知りたいと思い、生産者さんひとりひとりの想いに耳を傾けていました。
僕の靴についても、丁寧にゆっくりと時間をかけて聞いてくれる姿勢が
子供のようにまっすぐで、じぶんの心が開いていくのを感じました。
自分たちだけでなく、いろんな人に知ってほしいと考え
カフェに作家さんを招いて、楽しくみんなで学ぶWSを開いていることを知り
僕の靴もここに集まるみんなと分かち合いたいと自然と引き込まれました。

靴ってよくわからない、良い靴の定義とか、合っているカタチとか。
だから、つくるのも難しそう。たぶん大半の人がそう思っていると思います。
わからないままにするよりも、手を動かして考えることをお勧めします。
僕はそうやって靴をつくってきました。
正直いまでも確信はありません。

「靴の小学校」は
そんな僕の日々の仕事、「靴づくり」に同席してもらう学校です。
大きなテーブルを囲んで、みんなの手を拝借します。

靴づくりを教えることは、僕の仕事ではないし
そうしたいともあまり考えていません。
でも、その仕事の一部始終を観てもらい、
また手伝ってもらうことで(みんなやってみたいですよね。)
結果、靴づくりを伝えることにならないだろうかと考えました。


靴づくりはとても難しいけれど、
分担し合っていっしょにやれば、誰でも出来ます。小学生でもできます。
家で例えれば、ハーフビルドのように靴をつくっていきます。
家ができるんです。靴ができないわけありません。
仲間といっしょにやればきっと愉しいと思います。



てのひらワークスで大事にしていることは
難しいことを、より易しく
易しいことを、より愉しく
愉しいことを、よりたくさんの人と分かち合うこと。

2tree caféとコモンシューズハウスは車でちょうど1時間の距離。
徒歩1分で来れちゃう人から
車で1時間かけていらっしゃる人まで
この街で暮らす人と2tree caféでお会いできることを楽しみにしています。


靴の小学校 2013年秋冬(10月~3月)
毎月第3日曜日
1部11時~15時(11時~12時、ランチとお話会)
2部15時半~19時半(15時半~16時半、おやつとお話会)
毎月第3月曜日
1部10時~13時

※ランチ、おやつの時間はどなたでも参加できます。(1,000円)
 興味のある方や見学をご希望の方は、ぜひお申し込みください。
※2部にまだ少し空きがあります。



2013年10月6日日曜日

登山靴ご質問のお客様へ。

2日水曜日に、メールにて
登山靴の問い合わせをいただいたお客様へ。

お返事が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
どういうわけか、僕からのメールがエラーで返ってきてしまい
メールしか連絡手段がないため、
お返事ができないままでした。
1度お電話でご連絡を頂けますでしょうか。
よろしくお願いします。
0285-63-0268

このブログが目に留まってもらうことを願います。


また、こちらの都合なのですが、
メールが届かない受け取れないなどのトラブルが
ここ1年続いております。
メールをしたけど、返事が来ないなどの失礼がありましたら
ここにお詫び致します。
また今後、そのようなことがないように
できる限りお電話でのご連絡をお願いしております。

作業中、接客中、子供お世話中などなど
出られないことが多いと思いますが、
お名前とご用件のメッセージを残していただければ、
折り返しこちらからご連絡致します。

よろしくお願いします。
小林智行

2013年10月1日火曜日

10月のスケジュール

10月第1、3土曜日は、スターネット益子店でシューズサロンをひらいています。
第3週土曜日は、オーガニックハンドルームの新作ブーツの試履き会を予定しています。
サイズは足の長さだけでなく、幅も選ぶことができます。
普段、なかなか足に合う靴が見つからない方は、この機会にぜひお試しください。

写真は後脛骨筋機能不全で偏平足になってしまったお客さま。
土踏まずをしっかりサポートすることで、気持ちよく歩けるように仕立てました。


家先に咲く彼岸花。鎌倉に住んでいた頃、家から駅に向かう八幡様の境内路地にたくさんの彼岸花が咲いていたのを思い出します。
家と駅を歩くだけ、そんな毎日の路地散策がとても楽しい素敵な町でした。

2013年9月11日水曜日

スターネット オーダーシューズサロン


歩き方の癖はひとそれぞれにあります。
癖を矯正することを考える前に、
どうしてその癖がうまれたのか
癖がうまれた理由のほうが知りたいのです。
なぜなら、癖もなおした方が良い場合もあれば、
なおさない方が良い場合もきっとあると思うからです。

元気良く手を振って大股で歩くほうが健康に良いといっても
時と場所と身なりによります。
身体のぶれを最小限にして、身体への負担を軽くしようといっても
誰よりも遠くへ、誰よりも速く歩くことは望んでいません。
疲れたくないと思っている人は多いようですが。。

正しい身体の使い方は、
身体の一部である“頭”だけで考えた不自然な使い方です。
頭で考える正しさよりも、
頭で考えない自然な身体の使い方が望ましいのかなと思います。

先日のお客様は靴底を修理してほしいとお持ちなったのですが
とてもバランスがよく消耗していたので、
「このままもっと使って減ってしまっても靴も身体も大丈夫ですよ」と、説明しました。
そしてきっと、新品の底よりも歩きやすくなっているはず。
スターネットのオーダーシューズサロンで1年前につくった白い靴。
身体と相性が良いその靴は、靴底がすり減っても
均整のとれたまっすぐな佇まいをしていました。

ちなみに身体障害者の方は靴を半年くらい履いて、自分の歩き癖を靴におぼえさせます。
靴底がちょうど交換時期になるころ、最高に歩きやすくなっているから、
元に戻す修理ではなく、修理前と同じように修理することに気を付けます。
これがとても難しいのです。
その人の自然な歩行を靴のつくり方はひとそれぞれ。
教科書の正しい歩き方は数億分の一の例。
癖を活かす靴づくりの道のりは険しいけれど、愉しい仕事です。

オーダーシューズサロンでは
そんな靴づくりを実践し、健やかな身体と心を育みたいと思っています。

毎月第1,3土曜日 スターネット益子店でお待ちしております。


2013年9月5日木曜日

呼吸する、家と住み手


7月にアトリエデフさんの「循環の家」と「木漏れ日の家」で開催した
 「サンダルづくりとかまどごはん!」
 天気にも恵まれて、とても楽しく伸び伸びとサンダルをつくることができました。
参加者の皆さんは、家族で参加してくれたり、姉妹や親子で参加してくれたり、恋人や友人とだったり、
きっと誘ったり誘われたり、ここに来るまでにもいろんな道やお話があったんだろう、と
みんなに当日会った瞬間から、その胸を膨らませているワクワクした気持ちを感じることができました。


 
 家を建てる仕事と、靴を作る仕事はとても似ていて、
日常という日々の中に埋もれている足もとに在るモノだと思います。
人に見せびらかすモノではないし、
大事に飾っておくモノでもなくて
時と手が加わっていく、有機的な反応が返ってくるモノ。

暮らしに寄り添うモノ、という表現はあまり納得がいかなくて、
モノに人が寄り添い手を加え続けることで
それは思いがけない返事、メッセージを送ってくれる。


アトリエデフさんの家には
たくさんの人が出入りし、手が添えられてきた手沢と呼ぶに相応しい証が
ところどころに発見できました。真新しいモノよりも美しくて温かい。
毎日の賑やかで真剣なアトリエデフの営みを
支え、見守っている“家”でのサンダル作りは本当に楽しい時間でした。
なぜか疲れなくて、逆に手足が触れるこの家と、時間経つほど馴染んでいく、
一体化していく感じがする、こんな体験は初めてでした。

家のなかに入ると、誰でもホストとゲストどちらかに演じて、
いつもそこには両者の気遣いのある交際がある。
この家たちは、その温かな相互の気を毎日呼吸してきたんだろうなぁと
アトリエデフの木漏れ日の家、循環の家をみて思いました。


靴と家で決定的に違うのは
様々な人が使うということ。
みんなの家、家はみんなのもの。
そんな当たり前のことを
改めてデフさんに教わった気がします。


僕はいま、借家に住んでいます。
まだ築10数年の比較的新しい家だけど
僕で5代目の住人になるそうです。
これまできっとあまり愛されてなかったんだろうなと
思ってしまうほど、最初家が淀んでいたのは
一時の借りモノという、最低限の手しか加えない扱い方のせいかもしれません。
可哀想な家、と妻がつぶやくように。
妻はいつも口よりも手を動かして、せっせと働く人。
暮らしを、それを映す家を大事にしてくれる妻にいつも感謝しています。

住む。という本に書かれている言葉を紹介します。
 一軒の家が出来上がる。住まいはそこから始まります。家は、そこから長い一生を開始するのです。家は、愛着をこめて手をかけてやると、不思議と応えてくれます。そして、だんだんと住まい手に馴染んでいくのです。住まいは完成しません。それは住み手が育てるものです。

2013年8月30日金曜日

9月のスケジュール

残暑お見舞い申し上げます。
最高気温を更新した夏ももう終わり。
清々しい朝の空、少し肌さむいけど、心地良い目覚め。
秋のはじまり。冬支度の愉しみ。

9月は8月から引き続き、予約制で靴のご相談をお受けいたします。
宜しくお願いします。

また、
9月7日は2treecafeでワークショップと靴の展示。
9月21日はスターネット益子店で、オーダーシューサロンのご紹介。
ぜひお越しください。

2013年8月29日木曜日

病の活用

体調はすっかり良くなり、
この夏に出来なかった仕事が山積みだけど
途方にくれるほどの数でもなく、
淡々と丁寧に作り続ける持久力が
この病の間で蓄えることができたような気がしています。

平日は自分のリズムでしっかり働き、休日はお客さんや家族と足並みそろえて過ごす。
心地良い日々の再開。
今日も午前と午後にお客さんのご家族がいらっしゃって、
そのたびにコモンシューズハウスが活き活きとしてくるのがわかります。



15年以上、足の小指の根本にある大きな胼胝。
右足の幅はこいつのせいで5ミリ以上左より大きい。
病気の前兆はこの胼胝の痛みでした。
胼胝に余計な力が掛からないような丁度良いバランスに身体を仕向けることができないと、
いくら幅の広い靴を履いても効果はありません。
僕の場合、義肢装具の勉強をしている時に、そのことに気付いて
バランス調整の靴をつくり、1年でその悪い癖を改善しました。20代前半の時です。
一度できた胼胝は癖の改善だけでは消えはしないのですが
気にならなくなって過ごすことができるようになりました。

その後約10年、痛みがでることはなかったのですが
今回の病気は、10年ぶりにその胼胝が痛みだして、
身体がオカシイぞ、と不安な、嫌な予感を感じていました。
その晩、39度を超える熱と手足におびただしい発疹がでて
大変な痛みと痒みが続きました。

そして今、その発疹と戦った手足の皮膚が剥けて、新しく再生中です。
その大きな胼胝も綺麗に取れてしまい、つるつるツヤツヤの肌になっています。
生まれ変わった気分です。
またあの大きな胼胝ができないように
ここからさらに気を引き締めて、身体を丁寧に整えてつくっていきたいと思っています。



病気で身体が弱ることはなく、
むしろ、病は弱った体を再び活性させてくれる。
強くしてくれる。
子どもと二人並んで布団で丸くなりながら
そう励まし合うのでした。
でも乗り越えるのは大変だったぁ。子供ってすごい強い。

身体が回復へ向かうこの1週間、
友人たちのめでたい話や、嬉しい話が次々に飛び込んできます。
夏前より、200%逞しく丈夫になれそうな気がします。

見目さんのコモンシューズ1年半。陶芸の土で独特な経年変化。

2013年8月21日水曜日



僕の益子の父、馬場さんと今生のお別れをしました。
必ずまたいっしょに仕事ができると信じていたのですが
本当に残念で仕方ありません。思い出すと悲しくて悔しくてまだ泣きそうになります。
僕の靴を一番理解し、信じ、愛し、応援してくれたのが、馬場さんでした。
馬場さんはこれから母性の時代と言っていましたが、
馬場さん本人は素敵な父親でした。
父の無償の信頼。
それは無償の愛と似ているけど、
母親とは違う、もう1つの愛があることを
身をもって態度で教えてくれました。

馬場さんはいつも夢を追いかけている人でした。
僕が馬場さんに心から惹かれるのは、その夢の中身以上に
それに向かう愉しそうな生き方が、眩しいくらい輝いているから。
馬場さんに会う人はみな、そんな馬場さんが大好きなんだと思う。


「靴って面白いねぇ。ほんの少しのことで身体が変わる。」
そう話す馬場さんは本当に愉しそうでした。
馬場さんから、素敵な夢を与えてもらっている。
「世界一の靴屋になること」
僕にまだその力はないし、一人で叶えることのできる夢じゃない。
だから馬場さんはスターネットをつくり、アートワーカーズギルドをつくった。
ここで世界一の仲間に出会いたい。
スターネットは星座のように無限に繋がる光の輪。
世界のコンフォートシューズを扱い、自社製も手掛ける種本さんと
日本で最も魅力溢れるハンドメイドシューズ作家曽田さんが
もうその夢の舟にのっている。奇跡的なことだ。

馬場さんは、理想郷をつくりたいと言っていたけど、
終わりはないとも言っていた。
それは場所じゃないと言っていた。
自分そのものにあるものだと。
だから、僕は
世界一の靴屋という素敵な夢を追い続けて、
今日も明日も10年後も、靴づくりに励みたいと思う。
馬場さんのように、生きていきたいと思う。


2012年土祭 zone前 左から非電化工房の藤村先生夫妻と馬場さんと僕。




2013年8月10日土曜日

シューズワークリレイションと弟子



ようやく手に力が入るようになり、少しずつ仕事もできるようになりました。
靴をお待たせしているみなさんには、ご迷惑とご心配をおかけしました。また、このようなことになっても、心優しいお言葉をかけて頂き、本当に嬉しく思っています。ありがとうございます。病気前より元気になって、元気いっぱいの靴をつくりたいと思います。


弟子たちのことをこの機会に紹介しようと思います。
弟子は僕が靴づくりを伝えているシューズワークリレイションを受講して、
1年間僕と一緒に靴づくりをやってきました。
ベビーや小物、自分の靴など、1年間でいっしょにやってきたことはカタチにしてみれば
たったそれだけのことですが、いっしょにテーブルを囲んだ時間と会話と空気は、靴の技法以上に大切なことを含んでいました。手を動かしながら、何気なく話すその日その日の出来事やこども、政治、原発の話。これまでは妻と二人だったけれど、いまは弟子という家族が増えて、仕事が一段と愉しくなっています。

1番弟子の星さんは細かいことに集中できる人で、革の端切れを上手に使います。手もよく動いて、感覚の豊かな人。ここに来てまだ1年だけど、いま自分の出来ることを考えて、見付けています。今できることを考え、最大限に自分を活かすことができれば、もう立派な大人。僕が偉そうなこと言えるのは、せいぜい靴の作り方を教える時くらいです。僕は彼女をとても信頼しています。

もう一人の弟子の熊谷さんは僕がこの仕事を始めて最初の生徒さんでした。だから5年もいっしょに靴をつくってきましたが、いつも丁寧に丁寧に作業していて、進行は早いとは言えないけれど、見ていると急かしたくなるどころか、逆にこちらがその歩調に合わせてしまう不思議な方です。そんな熊谷さんはもうすぐ結婚をして、岡山へ引っ越してしまいます。彼女がここで最後につくった靴は自分と旦那さんのおそろいのルームシューズ。妻のコモンシューズをとても気に入ってくれて、ルームシューズにアレンジしてつくりました。
思い返せば、一番最初につくった靴も妻とおそろいのギリーシューズで、今でも一番よく履いているようです。いつも可愛らしくコーディネイトしていて、本当によく似合っています。最後につくったルームシューズは、きっと新婚さんの温かな家でたくさんの人から注目を浴びることだと思います。本当に可愛い。シューズワークリレイションの1年間でこの素敵な靴をひとりでつくれるようになったのも、ここから遠く離れて1人で靴づくりを続けていく決意があったからだと思います。でもきっとこの靴が強い磁力をもって、すぐに素敵な仲間に巡り合えると思っています。もちろん僕もこれからもずっと彼女の仲間です。


シューズワークリレイションでは靴の技術を伝えることよりも、その使い方をいっしょに創りだしたい。1年で見付かる人もいれば、10年かかる人もいるかもしれない。それでもその初心を忘れずにいられるのは、お金や技術、損得勘定で結ばれた仲間ではないから。
ひとりでやろうとするから、人を信じれなくなる。人を信じれないから1人でやるのか。
まずは最低でもテーブルを囲んだ人たちが誰も不幸せにならない方法を探せばいいと思う。
決して簡単なことじゃないけれど、それを可能にするのは、それこそ技術や画期的なアイデアではなくて、単純に人を信じることなんだと思う。
そして、僕らはこのテーブルの先のことも前のことも想像できる力を持っています。健やかで笑顔の溢れる社会はこんなところからでも創りだせる。




2013年8月3日土曜日

6月15日にお越しになったHさまへ

6月15日に小山から
ご家族3人でお越し下さいましたH様。
大変申し訳ありませんが、こちらの不手際でご連絡先を
間違えて登録してしまいました。
ブログをご覧になられましたら、メールかお電話を頂けますでしょうか?

靴のお渡しのことで、ご連絡したいことがあります。
よろしくお願い致します。

靴をお待ちになっている皆さまへ
先日末に体調を崩し
いまだに、ハサミも使えない状態です。
薬がなく、自然に経過するのを待つしかないようです。
具体的にいつ復帰できるかわかりましたら
順次ご連絡致しますので
もう少しお待ちください。ご迷惑おかけします。

また、みなさまのご理解と優しいお言葉に感謝しております。
いまはしっかり療養し、よりよい状態で仕事復帰することを誓います。

小林智行

2013年7月19日金曜日

8月のスケジュール

8月は完全予約制です。
希望日をお電話でお知らせください。

週末の通常営業はしていませんので、
事前にお電話でご確認のうえ、お越しください。

宜しくお願いします。

8月3日はヒジノワにいます。
毎月第1土曜日の「ヒジノヒマーケット」
是非遊びにいらしてください。
綿を育て、糸をつくっている、田仲ふぁーむさん初出店です!
僕は夏休みなので
小学生以下こどものサンダルをつくります。ひとつひとつオーダーメイドです。
しかも価格は端材でつくるので100円です。是非こちらもよろしくお願いします。
逗子のさくちゃんのサンダル。つくった年の夏も、次の年の夏も履けたと、喜んでくれました。

8月4日は宇都宮のカフェ「2tree cafe」にいます。
エコレザーでアロマペンダントをつくるワークショップ。
夏のアクセサリーにぴったりです。
今回は、コモンシューズハウスの庭で育てているラベンダー、レモンバーム、ローズゼラニウムのお花をペンダントに入れようと思います。
それらのハーブの苗は、友人のお花屋さん「わなびやさん」から今年の春届いたものです。
コモンシューズハウスを始めるにあたって、
庭をハーブガーデンにしたくて、わなびやさんに相談にのってもらいました。
おかげさまで、毎朝、庭に出るのが楽しくて仕方ありません。
わなびやさんは無農薬のお花、
つまり見たり香ったりするだけでなく、食べても愉しめるお花を届けてくれるお花屋さんです。
無農薬のお花は派手さや見栄えは多少不揃いだけど
逞しくて美しい。






2013年7月7日日曜日

役に立たないもの展 ヒジノワ


役に立たないものをつくるなんて
思っても考えたこともなかったのですが
企画展に誘ってもらった時、すごく面白いと思いました。

役に立たないモノ=不必要なものではなくて
役に立たないモノには役に立つモノとは違う、価値がある。
受けた時は、なにも思い付かなかったけど
なぜだろう、きっとあるとなぜか確信していました。

出来上がった、小さな靴をみて
その容姿から「胎児の靴」と名付けました。
胎児は靴を履かないから、役に立たない靴。
ちゃんと豚のお腹部分の革でつくった靴箱も用意しました。
見てくれる人はみな、自由にいろんな感想を寄せてくれて
役に立たないどころか、
役に立たないモノを通じて、会話が弾み、発見や気付きに笑顔がうまれ、
人と人を繋いでくれています。

役に立たないモノに
価値を見いだすのは、そのつくり手ではなく、また別の人。
使い方や解釈の自由がある、とても面白い展覧会です。

是非足をお運びください。

「役に立たないもの展」
場所 ヒジノワ
期間 7月5日~28日

この小さな靴をつくったのは、僕の一番弟子。
この話はまた今度。

2013年6月26日水曜日

アトリエDEFさんと、かまどごはんとサンダルづくり。

サンダルづくりとかまどごはん!

長野県上田市のアトリエデフさんといっしょに
7月20日、21日、
上田本社と、八ヶ岳の木もれ日の家で、
ワークショップをします。

僕はみんなの足に合わせて、
自然素材のサンダルをつくります。
アトリエデフさんは
お昼ごはんをお手製のかまどごはんをつくります。
足のことや家のことをお話ししながら
愉しい1日をいっしょに過ごしませんか?

場所 アトリエデフ 上田本社 木漏れ日の家(7月20日)
   アトリエデフ 八ヶ岳営業所 循環の家(7月21日)
参加費15,000円(かまどごはん付き)
10時~16時
予約制(7月14日までにご連絡ください。てのひらワークス0285-63-0268)

アトリエデフの櫻井さんが
山梨の友人が履いていた僕の靴を気に入ってくれて、
わざわざ長野から、靴を買いに来てくれたのが今年のGW。
住まいを考えるお話は、共感できることばかりで、
手間暇をかけないとモノがなかった暮らしとは違う、
手間暇を楽しむ新しい暮らしを提案してくれるお話は
どれもこれも取り入れていきたいと思うものばかり。

個人的には
八ヶ岳の循環の家がとても楽しみです。
人の営みと地球の営みが交わる家をつかった暮らしの実践が
この循環の家で日々積み重ねられています。
サンダルづくりの合間に、家や庭の見学もできそうです。
すぐにでも真似したいスパイラルガーデンや雨水の利用法を
しっかりみてこようと思っています。

ご興味のある方は、是非この機会にいっしょに
アトリエデフの楽しい世界へ遊びに行きましょう。

アトリエデフのホームページには
大きくこう書かれています。
「家を建てるだけが、しごとではありません。」
僕も靴をつくるだけが、しごとではないと思っています。
それじゃあ、ほかに何をしているのかといえば
いっしょに暮らしを考えているんだと思います。

家を建てるには、いろんな材料やエネルギーや人が必要です。
コストを比べるだけの選び方はもう止めにしたい。
その材料はどこでどう育てられた木なのか、
この排水はどこへ流れていくのか
この土はどんな生物が棲んでいるんだろう。
家を考えれば考えるほど、暮らしは複雑で単純でないことを思い知ります。
複雑な問いだけど、問いにはきっと答えがある。
アトリエデフさんは
その答えを探すように、手間暇をかけて家をつくっている工務店です。

手間をかけることが良いという考えではなくて
手間ってそんなに嫌われることなのか、
不便ってそんなに嫌なことなのか、
ちゃんと考えて、選びたいだけです。
僕らが選ぶ暮らしは
手間を共有できる家族や友人をつくることで、
ますます豊かになる気がします。
仲間が必要な暮らしなんだと思います。

靴の展示も合わせて行います。
土間のような、家と庭を繋ぐ靴。
循環の家とコモンシューズ。きっと似合うと思っています。

長野でお会いできるのを楽しみにしています。