僕は靴をもうあまり履物とは思っていなくて、
じゃあ何かをいえば、それは土壌だと思っています。
柔らかい土、硬い土、
乾いた土、潤った土、
平らな土、凸凹の土、
いろんな土に足をのせて、身体を育てる。
どんな土とも寄り添って
その土でしか見られない美しい花を咲かせる
そんな人になりたいと思う。
たくさんの素晴らしい靴がある。
でも、それ以上にたくさんの粗悪な靴がある。
花を咲かせる力を削ぐような靴。
生きようとする意思を萎えさせる靴。
田舎に暮らして知ったことは
土づくりは時間も手間もかかる、とっても大変な作業だということ。
でも夢中にさせるものがある。
きっと靴づくりと似ているからなんだと思う。