2013年2月12日火曜日

靴の祝福


子供のファーストシューズをあまり深く考えずに
今まで作ってきたファーストシューズを用意して
のんびり歩き出す日を待っていました。
そろそろかなと思い、試しに履かせてみると、
用意していたその靴がキツくて足が入りませんでした。

指先のゆとりはありそうなのに、
足の甲が分厚く、それが靴のカタチとまったく合っていないことに
履かせてみるまで、気付きませんでした。
というより考えてもみませんでした。

大きめのサイズを用意しておけば、
成長の過程で履ける時がいずれ来ると思っていたのですが
その甘い考えは通用しないことを知りました。
 
こどもが産まれてから
初めて知った、あかちゃんのことがたくさんあります。
赤ちゃんの時はみな似たりよったりと思っていたけれど
本当は赤ちゃんの時ほど、多様な姿、豊かな個性を持っていて
子供になり大人になり、大きくなるほどにそれが失われていく。
大抵の人はそういうものかもしれない。なんだかそれが少し悲しい。
だから、僕は子供たちをこの世界の既存の型に押し込まずに
自由に羽を広げることのできる器をつくりたいと思っています。

我が子のファーストシューズは
足を優しく包むことと、誰でもできることを考えて作り直しました。
専門的な型や道具を使わずに、おうちの手芸でできます。
親子で一対の靴をつくることが当たり前のことになったら
素敵なことだと思いませんか。

ファーストシューズは
一生にひとり一足だけ受け取れる靴。
ありのままを抱きしめてくれる靴。
少しだけ先に産まれただけの大人から靴の祝福。
ようこそ地球へ。ようこそ小林家へ。