2013年8月21日水曜日



僕の益子の父、馬場さんと今生のお別れをしました。
必ずまたいっしょに仕事ができると信じていたのですが
本当に残念で仕方ありません。思い出すと悲しくて悔しくてまだ泣きそうになります。
僕の靴を一番理解し、信じ、愛し、応援してくれたのが、馬場さんでした。
馬場さんはこれから母性の時代と言っていましたが、
馬場さん本人は素敵な父親でした。
父の無償の信頼。
それは無償の愛と似ているけど、
母親とは違う、もう1つの愛があることを
身をもって態度で教えてくれました。

馬場さんはいつも夢を追いかけている人でした。
僕が馬場さんに心から惹かれるのは、その夢の中身以上に
それに向かう愉しそうな生き方が、眩しいくらい輝いているから。
馬場さんに会う人はみな、そんな馬場さんが大好きなんだと思う。


「靴って面白いねぇ。ほんの少しのことで身体が変わる。」
そう話す馬場さんは本当に愉しそうでした。
馬場さんから、素敵な夢を与えてもらっている。
「世界一の靴屋になること」
僕にまだその力はないし、一人で叶えることのできる夢じゃない。
だから馬場さんはスターネットをつくり、アートワーカーズギルドをつくった。
ここで世界一の仲間に出会いたい。
スターネットは星座のように無限に繋がる光の輪。
世界のコンフォートシューズを扱い、自社製も手掛ける種本さんと
日本で最も魅力溢れるハンドメイドシューズ作家曽田さんが
もうその夢の舟にのっている。奇跡的なことだ。

馬場さんは、理想郷をつくりたいと言っていたけど、
終わりはないとも言っていた。
それは場所じゃないと言っていた。
自分そのものにあるものだと。
だから、僕は
世界一の靴屋という素敵な夢を追い続けて、
今日も明日も10年後も、靴づくりに励みたいと思う。
馬場さんのように、生きていきたいと思う。


2012年土祭 zone前 左から非電化工房の藤村先生夫妻と馬場さんと僕。