2013年8月29日木曜日

病の活用

体調はすっかり良くなり、
この夏に出来なかった仕事が山積みだけど
途方にくれるほどの数でもなく、
淡々と丁寧に作り続ける持久力が
この病の間で蓄えることができたような気がしています。

平日は自分のリズムでしっかり働き、休日はお客さんや家族と足並みそろえて過ごす。
心地良い日々の再開。
今日も午前と午後にお客さんのご家族がいらっしゃって、
そのたびにコモンシューズハウスが活き活きとしてくるのがわかります。



15年以上、足の小指の根本にある大きな胼胝。
右足の幅はこいつのせいで5ミリ以上左より大きい。
病気の前兆はこの胼胝の痛みでした。
胼胝に余計な力が掛からないような丁度良いバランスに身体を仕向けることができないと、
いくら幅の広い靴を履いても効果はありません。
僕の場合、義肢装具の勉強をしている時に、そのことに気付いて
バランス調整の靴をつくり、1年でその悪い癖を改善しました。20代前半の時です。
一度できた胼胝は癖の改善だけでは消えはしないのですが
気にならなくなって過ごすことができるようになりました。

その後約10年、痛みがでることはなかったのですが
今回の病気は、10年ぶりにその胼胝が痛みだして、
身体がオカシイぞ、と不安な、嫌な予感を感じていました。
その晩、39度を超える熱と手足におびただしい発疹がでて
大変な痛みと痒みが続きました。

そして今、その発疹と戦った手足の皮膚が剥けて、新しく再生中です。
その大きな胼胝も綺麗に取れてしまい、つるつるツヤツヤの肌になっています。
生まれ変わった気分です。
またあの大きな胼胝ができないように
ここからさらに気を引き締めて、身体を丁寧に整えてつくっていきたいと思っています。



病気で身体が弱ることはなく、
むしろ、病は弱った体を再び活性させてくれる。
強くしてくれる。
子どもと二人並んで布団で丸くなりながら
そう励まし合うのでした。
でも乗り越えるのは大変だったぁ。子供ってすごい強い。

身体が回復へ向かうこの1週間、
友人たちのめでたい話や、嬉しい話が次々に飛び込んできます。
夏前より、200%逞しく丈夫になれそうな気がします。

見目さんのコモンシューズ1年半。陶芸の土で独特な経年変化。