2012年5月20日日曜日

松籟(しょうらい)

5月19日土曜日13時、坂の上のスターネット旧山の食堂に集合。
津田貴司さんのワークショップ「みみをすます」に参加してきました。

20人くらいで益子の自然公園を歩きながら
身近から聞こえる音、上から音、下からの音、
遠くから運ばれてくる音、その隙間にある音、
様々な音にみみを意識的に開き、心地良い音の中に身を投じる。
それを“みみをすます”と津田さんは教えてくれました。

普段、私たちは見たいものを見て、聞きたいものを聞いて、知りたいことを知る。
でもその情報があまりにも多すぎる暮らしでは嫌でも入ってくる。
集中とはそんな雑音から身を閉じるような感覚だと思っていました。

でも、みみを開くという津田さんの言葉通り
琴線をかすかに触れるような小さな音も入ってくるように
身体を開く状態の方が集中の度合いが大きいことを
今の暮らしで感じています。

八溝山地を望む工房にはラジオも音響装置もなく
いつも風の音と鳥の鳴き声、遠くで農家のトラクターが走る音、
どの音一つとっても耳をここちよく触る音ばかりです。
時折、2階の自宅で泣いている我が子に気をとられがちですが
そんなのどかな環境下で身体の感度が澄みゆき、
自然にその全神経を目の前に集めることができます。

“松籟”とは松の葉を揺らす風の音。
木々の葉音を聞き分けるなんて、できないと思っていたけれど
知ってしまうとなんだか色々と知りたくなる。
この世界にはまだまだ知らない音がある。
かき消されてしまうような声を拾えるようになりたいです。

津田貴司“みみをすます”ワークショップとてもお勧めです。
次は6月9日守谷、八坂神社で開催予定です。

ワークショップ後のサウンドパフォーマンスも素晴らしかった。
楽器を使わずに、小枝、石ころやビン、水の入ったグラスなどを鳴らし反響させ、
特別につくった音響装置で時に音を重ねていく即興のパフォーマンス。
音の世界の素晴らしさを教えてくれた津田さんに感謝します。

コーディネイトしてくださった“いろのみ”の磯部さん。
美味しいパンを届けてくれたパンドムシャムシャさん。
スターネットの八田さん、早川さん。
いっしょに歩いて回ったワークショップ参加者のみなさん。
ありがとうございました。