2012年7月12日木曜日

靴を洗ってますか。

気持ちのよい靴は洗える靴だと思います。
クリームをぬったり、オイルをぬることも大事なお手入れだと思いますが
まずは水で洗ったり、綺麗な布で拭いてあげるほうが
靴も気持ちいいような気がします。
美しい革を求めるなら、足すよりも引いたほうがいい。
引いて引いて現われてくる真の素材に惹かれます。
私の毎日履いている白なめしの革靴。
日々の庭仕事でついた土や埃の汚れをタワシで洗い落としました。
靴を履いたままでゴシゴシ。
湿った革を綺麗に拭いて、風が気持ちいい庭先に干して終わり。10分でできます。
乾いた革は、また一段と綺麗で温かな白色になりました。



白なめし革は中国から伝わってきたなめし技法で
1000年以上前から日本の姫路で伝承されてきました。
塩と菜種油だけで仕上げています。
効率性とか生産性など無視した職人の手仕事による天然革。
製品となったあとも、
汚れは水で洗い、太陽で干して使い続けるなかで
ますます白くなっていく様は、天然素材だけがもつ強さを感じます。
原革は西日本の鹿やイノシシの革。
害獣として殺されてしまった野生の動物革を使っています。
捨ててばかりだったその革を、引き受けたのが
現在世界でただ一人白なめしを受け継いでいる新田さんでした。

あつらえ靴で白なめしを使ってほしいという声も多く頂きます。
私もこのような背景のある革を
これからもあつらえ靴に仕立てていきたいと思っています。



靴を洗っている横で
プールでアヒルと遊ぶ息子と
それをのぞきに来た赤いカニさん。
まさかカニさんまで遊びに来るとはびっくりです。




そして今日もまた嫌な予感がして燕の様子を見に行ったら
おんなじ蛇が巣に接近中。
持っていた棒にからめて投げ飛ばして、それをうしろで見ていた妻に
ちょっといいところをみてもらうことができました(笑)