2012年9月9日日曜日

みらいのくつをつくること

新しく靴をつくる。
既製品として少し多めにつくる。
どんな靴がいいだろう。
考えてみると、とても難しい。

今までなかったものは
隙間を埋めるように
いくらでもつくることはできる。
隙間はどこにでもある。
でも隙間は埋まったら、すぐ忘れられる。
こんなにもモノが溢れているのに
これ以上何をつくればいいのだろう。
古くなったら0円になる携帯電話のように
ただ新しいだけのモノはつくりたいはない。

少し多めにつくるなら大衆的な靴がいいけれど
足のサイズは面白いくらい千差万別。
どうやったら平均の靴なんてつくれるのだろう。
そもそも誰も平均の値で作っていなくて
平均だから売れるとも考えていないんじゃないかな。
見た目の美しい方が購買意欲が湧くだろうし、
自分の足に合っていなくても、それを履くことで
格好良くなった気持ちになる、可愛くなった気持ちになる。
たぶんそれだけで十分、靴に満足しているんだろうと思う。
加えて、歩けるならそれで買う条件は満たされる。
そんな大衆的な靴は絶対につくりたくない。

例えば、ビルケンシュトックの靴は
日本中で子どもから大人までたくさんの人に支持されている。世界でもすごい人気。
それは単に履き心地がいいからでも、見た目が愛らしいからでもなくて、
世界中の人の健康を願ってカタチづくられた靴だから、
多くの人に愛されるのだ。と私は思っています。
マーケティングなんてせず、平均も隙間も狙らわずに
困っている人に手を差し伸べるように
健全な未来の姿を考えて、そこへ導こうとした靴だから愛されるような気がします。

今の暮らしをより便利に豊かにするのではなくて
みらいの世界がどうあるべきかを考えて、
今を生きることを求められている時代です。

すこしだけですが
スターネットの馬場さんといっしょにつくった新しい靴は
足もとから社会を元気にしよう、という想いがたっぷり詰まっています。
まだその一歩を踏み出したばかりですが
この靴が案内してくれる未来が
平和で笑顔が溢れる社会であることを祈っています。

メンズ40、41,42
レディース36,37,38


私はたぶんその社会を生きることはできない。
でもそれは決して悲観することじゃない。
私はその社会を創ることが使命だと思っているからです。
使命があること、
それが一番の幸せだと思うから。