2012年6月19日火曜日

掌育

知り合いから聞いた話ですが
友人が通う鍼灸師養成校で
間違えて教室に入ってきた蜂をみんなで追い払おうとして
終いには出ていかない蜂を皆でたかって殺そうとしたらしいのです。
友人がそれを静止して自然に出ていくまで待つことができたらしいのですが
その恐ろしい狂気が今とてもぞっとします。
そこでは、癒す手を育てることよりも
ただの鍼灸の技法だけを教えていたのでしょう。
ただ試験に受かるように、ただ手に職をつけるために。

手と心。
手を育てるためには心を育てなければなりません。
心を育てることはたぶん生まれてからずっと続いていくことです。
人間らしく生きること。たぶんそれが一番難しい。
でもそんな素敵な人を私は知っています。
となりのおばあちゃんもその一人でした。
ここの暮らしで私も少し近づけるでしょうか。
心と心を通じてくれるのは手。
道徳や倫理、感謝は心から手を伝って宿すもの。
子どもに触れる手が優しく温かい手でありますように。